6) 母国語の大切さ

通訳をしていると「頭の中ではどのように考えているのか」と聞かれることがあります。

例えるならば、誰かから聞いた話を、他の人に話す場面を想像して頂けると良いかと思います。その場合、短い話であれば一語一句伝えることができるかもしれませんが、大抵は、誰もが聞いた話を再構築しています。これに、違う言語へ変換するという作業が加わったのが通訳です。相手に言われたことを自分が理解し、第三者に説明するようなイメージです。

話の内容の難易度が高いほど、通訳が理解するという行為が大切になります。

通訳学校で習った際は、内容が難しければ難しいほど、メモをとらずに集中しろと仰る先生もいらっしゃいました。通訳者がしつかりと話の内容を理解している場合は、実際に話されている内容と通訳者の口から出た内容を比べてみると、通訳者の方が分かりやすいということもあり得ます。

自分が理解して、他人に分かりやすく説明するという行為を短時間、同時通訳ともなれば何秒か遅れで行う訳ですから、英語ができるだけではだめで日本語の理解力や文章作成能力も、とても重要です。